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銀世界、そしてピアノの音色

大雪警報が流れた午後、夜に予定していたピアノの演奏会へ
いけるか、不安になったのですが、天気予報を無視して
いくことに決めました。


外は氷点下の世界。

お友達にお夕食をご馳走になり、プチ演奏会が行われるお宅へと
向かいました。

雪も降っておらず「楽勝、楽勝♪」といいながら、到着。





銀世界、そしてピアノの音色_d0175589_8182111.jpg



演奏会本番を前に、練習演奏会だったのですが、
いろんな方がお見えになっていて、多くは音楽家やパフォーマー。
普通の勤め人のほうが少なかったかな(笑)


ワインやコーヒーを頂きながら、始まった演奏会。

先週出会ったばかりの方なんだけど、お人柄が音でわかるというか
とにかく誠実さ、音楽一本で生きるのは、難しいって先週、会ったばかりの
時に話した内容でわかるんだけど、それでもばしっとピアノと向き合っている
姿勢に、静かな感動がありました。


ヨーロッパ全体だと思うんだけど、この不景気、国も芸術家に対しての
補助金を打ちきらずにはいられない状態。それでも、この時代に今を生きる
彼女や、他の音楽家、芸術家はたぶん
「こんな不景気に続けるのは難しいと思うよ」っていう方も多分おられると
思います。

今、を生きずにいつ生きる、だよね、、ってお話したのが先週。
子供がいるひとは託児所の補助金が切られている状態、だから芸術家だけを
優遇させるわけには、いかない、今、全体のバランスをとるのが大変に難しい
状態だから、でも、がんばってほしいと伝えました。

こうやって
まじかで音楽を聴くと、あらためてその必要性を強く感じるし、反面、
生き辛いけれども、どうにかして活動をみなさんに続けてほしいと思うし
個人で音楽を楽しむことが、また演奏家を支えることにもなるので、
そうやってお互い共存できればいいな、と思った夜でした。

演奏会が終わってドアを開くと、目の前は銀世界。雪は音がしないので
ピアノの音が響いている間に積っていたんです。

真っ白な幻想的な運河の風景を歩きながら、
静かに聞こえる雪を踏む音とさきほどのピアノの音が重なって
気分もまた神秘的。夜の静けさと共に
音がしない雪が自分の上に降り注いでくる、そして耳に残っている
ピアノの音。

不思議な気持ちになりながら、家に帰ったのでした。

by tubaki_hana | 2010-12-04 08:34 | 外国の暮らし